資産がないと人生はハードゲーム?お金がない人が陥る3つの負のループ
資産形成貯金マインド
正直に言うと、資産がなかった頃の人生は地獄でした。とにかく歯車が噛み合わなくて、負のループから抜け出せない感覚があったんですよね。
一方で、資産をある程度貯めていけば正のループに入り、そこまで頑張らなくても人生の難易度は確実に下がっていきます。この記事では自戒も込めて、資産がないとどんな地獄を見てしまうのか、そこから抜け出すにはどう考えればいいのかを整理していきます。
資産100万円未満の人はどのくらいいるのか
まず定義から。この記事では、借金がある状態から資産100万円くらいまでを「資産がない状態」とします。
その前提で、金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査」から、年代別に資産100万円未満の人の割合を見てみます。
| 年代 | 単身世帯 | 2人以上世帯 |
|---|---|---|
| 20代 | 42% | 35% |
| 30代 | 28% | 22% |
| 40代 | 25% | 18% |
| 50代 | 22% | 15% |
| 60代 | 18% | 12% |
20代は約4割が、ほとんど資産を持っていない状態です。そして50代・60代でも2割近くが資産100万円未満。資産を持っていない人は、年代が上がっても持っていないままなんですね。
ここで見逃せないのが複利の存在です。ある程度の種銭があれば、運用に回すことで複利的な資産の伸びが期待できます。つまり、資産を持っている人と持っていない人の差は、時間が経過するにつれてどんどん大きくなっていきます。
資産がないことで見てしまう3つの地獄
結論から言うと、資産がないと尊厳を奪われてしまう機会が多くなります。尊厳を奪われることでストレスが増えて、浪費も増える。そうなると手元にお金がないから、もっと尊厳を奪われる。そんな悪循環です。
具体的には、次の3つを挙げます。
- とにかく身動きが取れなくなる
- 節約がうまくいかない
- 世間の変化に怯え続ける
この3つは私の実体験から来る部分が大きいです。私がお金に困っていたのは大学時代の4年間。一人暮らしで、家賃以外の水道光熱費・通信費・食費その他を自分のバイト代から捻出していて、自転車操業のような生活でした。周りも学生でお金持ちはいなかったので劣等感を感じることはなかったのですが、「手元にお金がないことで、よりお金がなくなっていく」という経験は本当に多くしたんですよね。
地獄1: とにかく身動きが取れなくなる
環境を変えるにも、目の前の負を解消するにも、いろんなことにお金は必要です。そもそも手元にお金がないとそこに投資できないので、身動きが取れなくなってどんどん詰んでいきます。
たとえば人間関係。友人が結婚式を挙げるならご祝儀を包みたいですし、たまには交通費を出して遠方の友達に会いに行った方が、人間関係は維持しやすくなります。ところが目の前の支払いに追われている状況では、突発的に数万円が出ていくのは痛すぎるんですよね。私も学生の頃は、客単価が高そうな飲み会は断っていました。学生なら「それなら宅飲みしようか」と安く済ませる手段もありますが、社会人になるとこの感覚の差はどんどん開いていきます。金の切れ目が縁の切れ目になってしまうわけです。
仕事も同じです。ブラック企業から脱出したいと思っても、会社を辞めてから転職活動をするならつなぎの資金が必要ですし、転職のために資格を取るならスクール費用がかかるかもしれません。副業も、初期投資がほぼゼロでできるビジネスはあるものの、月数千円の固定費や数万円の初期投資がかかるものが多い。今の状況を変えるための初期投資にお金を回せないので、収入が増えずにさらに詰んでいく、という構図です。
地獄2: 節約がうまくいかない
「お金がないなら節約すればいい」と思うかもしれませんが、これがうまくいかないんです。
家賃が高すぎるから安い部屋に引っ越そうと思っても、引っ越し代が必要です。仕事のストレス解消で出費がかさんでいると気づいても、転職には時間もお金もかかるから踏み切れない。結局ストレスが減らないから出費も減らない。まとめ買いで安くなる商品も、まとまったお金がないとその選択肢自体が取れません。支出を下げる節約でさえ、初期投資や環境の変化が必要なんですよね。
そうなると「そんなしんどいことをするくらいなら」と、溜まったストレスはお金を使って解消して、次の日また仕事に行く。そんなループに入ってしまいます。
一方で、資産がある人は真逆の行動が取れます。賃貸の家賃がもったいないと思ったら、資産価値が上がりそうな家を買えばいい。車を買うなら、買った瞬間に値段が下がる乗用車より、数年後も資産価値が落ちにくい車を選ぶこともできる。お金がお金を生む選択肢があることで賢い選択ができ、それによってさらにお金が増えるから、人生がどんどんイージーゲームになっていく。かなり資産がある人の例ではありますが、資産がない地獄とは見事に対照的です。
地獄3: 世間や環境の変化に怯え続ける
手元にお金がないと、自分の環境を変えることが難しくなるのと同様に、外部の環境変化にも弱くなります。
昨今はインフレのトレンドですが、物の値段が上がっていけば、手元にお金がない人ほどその被害が直撃します。スーパーで食料品の値段が数パーセント上がることが相当つらいはずです。「年金は減っている」というニュースを見れば、貯金もないのに自分の人生はどうなるんだろうと不安になってしまうでしょう。
これが資産500万円でも1,000万円でもあれば、食料品が値上がりしても「死活問題だ」とはなかなか思いません。「また値上がりしているわ」と思いながらも、「必要だから買っておくか」と選べるわけです。ところが資産がないと、「こんなに値上がりしているなら安いジャンクフードで済ませよう」「野菜は高いから買わないでおこう」という方向に流れてしまう。そうすると健康まで害してしまい、将来的には医療費が高くつく可能性もあります。
ちょっとしたイレギュラーに怯え続けることになるのでストレスは高くなり、ストレスが高くなると浪費で発散したくなる。自分で書いていて恐ろしいくらいの負のループです。
負のループから抜け出すには
まとめると、資産がない状態では、住む場所の自由・働く場所の自由・食べるものの自由といった、本来選択できるはずのものが失われて、尊厳が脅かされてしまいます。これを防ぐには、なりふり構わず資産を貯めていくしかありません。そして幸い、そんなに高い金額は必要ないです。
目安の考え方は3段階です。
- とりあえず今の地獄を免れる資産額
- 将来の不安が少なくなる資産額
- 尊厳を誰にも奪われない資産額
最初のステップは、「資産がない状態」の定義だった資産100万円のラインを超えることです。仮に月3万円を年利5%で積み立てると、3年で116万円。積立だけでなく固定費の見直しやボーナスも組み合わせれば、もっと早く到達できます。
さらに、月5万円を年利5%で7年続けると約500万円。地獄3で触れたように、資産500万〜1,000万円まで積み上がれば、日々の値上がりが死活問題ではなくなり、変化に怯える生活からは大きく遠ざかります。
資産形成は最初の1歩が一番しんどい時期です。ただ、100万円を超えたあたりから「突発的な出費で詰まない」「安く済む選択肢を選べる」という正のループが少しずつ回り始めます。昔の自分を思い出して「絶対ここには戻らない」と決意を新たにするもよし、これから始める方は「まず100万円」を目標にするもよし。負のループは、資産という緩衝材があるだけでぐっと断ち切りやすくなりますからね。